この本の副題は「稼ぐために働きたくない人の解体書」
つまり、働く意義を見失い、われわれ「ゼロ世代」にもピッタリでもあります。
バブル崩壊・リーマンショックなど、不景気な事を経験しつつも、特に手に入らないものがないので欲望が薄い「乾けない世代」に向けて書かれた本です。
「乾いた世代」「乾けない世代」とは?
「乾いた世代」「乾けない世代」幸せの感じ方
人の幸せは5種類に分けられる。
「達成・快楽・良好な人間関係・意味合い・没頭」
上の世代は「達成と快楽」をモチベーションに働いていた。
与えられた目標をクリアした時とかに、物理的なポジティブな感情が「達成・快楽」に紐付きやすかった。
しかし、バブル崩壊・リーマンショックを多感な時期に経験した若い世代は、この物理的ポジティブ感情に対して脆さを感じ、むしろネガティブな感情と紐付きやすくなっている。
「良好な人間関係・意味合い・没頭」若い世代はこの3つを重視する人が非常に多い。
仕事よりも個人や友人との時間が大事。何気ない作業の中にも自分がやっている意味を見出せないとやる気がなくなる。「いくら稼げるか」よりも「仕事に夢中になって時間を忘れてしまった」ということに喜びを見出す。
「乾けない世代(若い世代)」の強み
「これをやれば成功する」という黄金律がない今の時代だからこそ、自分にしかできない事を突き詰め、楽しみをお金に変えていくことができる「乾けない世代」は強い・
幸せの軸の後ろの3つを追い求めることができれば、「モチベーション迷子」になることなく自分の価値を高めていける。
偏愛こそが人間の価値になる
「体験」そのものに価値が生まれる
これからの仕事で大切な事は、自分にとって得意な事でいかに相手にとって難しい事を探し続けるか、ということ。
東大のAIの権威、松尾豊教授の話
昔の資本は筋肉。それが蒸気管の開発で追いやられ、今の資本は頭脳。そして、人工知能の開発によって効率的な仕事から人間は追いやられ、次の資本は非効率を産業としていく嗜好になっていく。松尾教授は、「自分が何を好むかという情報は、これから価値になっていく」どんな業種でも、この「偏愛」を突き詰めていくことが、生き残りをかけた分水嶺になっていく。
つまり、「偏愛」を突き詰めることが「乾けない世代」の得意分野
個人の働き方
チームで働くには様々な人材が必要で、一見役に立っていない人材も実は重要な役割をはたしていたりしますが、
強さ・特技と磨き続け、自分にしかできない事を仕事にするには・・・?
①「ないものがない」新しい世代は、「達成感・快楽」よりも、「良好な人間関係・意味合い・没頭」に意味を置く世代であること。この世代だからこそつくれる「新しい価値」があるということ。
②その「新しい価値」は自分だけの「好き」や「歪み」から生まれやすいということ。
③「自分だけの世界の見方」を発信すると、それが他の人にとって「新しい世界の見方」になったり、既存のモノに新しい意味を与えたりすること。
「好き」をいかにして「生きがい」まで変えていくか?
・好きで得意な事が、世間で求められるものであれば、生きがいとなる。
・最初は孤独だが、心底楽しそうに没頭し、少しずつ形になっていく背中を見ているうちに、周囲の人は巻き込まれ、だんだんと応援してくれるようになる。
感想:モチベーション革命
この本は、「新しい価値」とはなんなのか?
お金の為に働く意義を見出せない若い世代が、「新しい価値」をいかにして生み出していくかを焦点にして書かれている。
この本を本で、自分につくる価値が何か、そしてそれを実践する勇気が与えられた。
あとは、まいにちコツコツと積み重ねていくだけだ。