日本では、インプラントの手術を受けるのに約30万円ほどかかります。
インプラントを成功させる為には、
骨がインプラントに結合される必要があります。
骨とインプラントがしっかり結合されないと、
インプラントを抜いて、オペを最初からやり直さないといけません。
この、骨とインプラント体が結合される現象を
【オセオインテグレーション】といいます。
このオセオインテグレーションを成功させるため、
インプラントメーカーや歯科医師は様々な研究をすすめています。
オセオインテグレーションとは
インプラントの開発者、ブローネマルク博士は、
ウサギを用いた実験で、人体はチタンに対して生体親和性があることを発見。
骨とチタンが結合し、長期間維持できるこの現象を、
【オセオインテグレーション】と名付けました。
オセオインテグレーションの成功条件
1981年、スウェーデンのアルブレクトソン教授は、
を提唱しました。
①インプラント材料の生体親和性
②インプラントの表面性状
③インプラントのデザイン(形状)
④骨量・骨質の状態
⑤手術技術
⑥治癒期間の荷重コントロール
基本的な考え方に大きな変更はありませんが、
表面性状と荷重時期については研究が進んでいます。
ブローネマルク博士が発見した時は、
チタンの表面は研磨された滑面状でしたが、
粗面状の方が治癒機関の短縮ができるとの研究報告が出ています。
インプラントの表面性状
滑面のインプラントと比較して、
粗面のインプラントは表面がざらざらしています。
サンドブラストでインプラント表面をざらざらにして、
さらにそれを塩酸に付け込むことで
ミクロン単位の小さな穴があきます。
その小さな中に血が入り込むことで、
素早く骨の組織が形成されて、骨に固定されます。
インプラントメーカーによって若干の呼び名は違うようですが、
サンドブラストエッチング・SLA・SAなどと呼ばれています。
今使われているインプラントの表面は、
このサンドブラスト処理と塩酸による処理が施されたものです。
他にはインプラントの表面にカルシウムの一種である
ハイドロキシアパタイトを貼りつかせたものがあります。
まとめ:オセオインテグレーションとインプラントの表面性状について
ブローネマルク博士がオセオインテグレーションを発見した時は、
インプラントの表面は研磨されたツルツルの表面性状でしたが、
研究・開発がすすんで、今使われているインプラントは表面がザラザラの
サンドブラストエッチング処理が施されたインプラントがほとんどです。
これによって骨とインプラント体が固定される期間が短くなりました。
少しずつ進化していっているので、
僕がインプラントを入れる時にはもっと画期的なインプラントが開発されているといいな!